Q: 英語がなかなか長続きしないのですが、どうやったらモチベーションを維持できますか?

最初はやる気があっても、時間が経つうちに途中で投げ出してしまう。「自分は忍耐力がないのかな?」

・・・もちろん、語学の習得には継続することが絶対不可欠なので、忍耐力も必須なのですが、それ以前に、「なぜ、英会話が自分にとって必要なのか」「英会話を習得することで、どんな自分になりたいのか」・・・という、ビジョンを持つことが、極めて重要です。ここが最初からぼやけてしまっていては、途中でモチベーションが下がってしまっても仕方ありません。

ビジョン」(vision)とは、あなたの将来の夢、目的、展望です。ここでは、「英会話ができるようになって活躍している自分の姿」や「英会話をマスターすることで達成したいこと」をより具体的にイメージして、言語化します。たとえば、英会話に取り組むうえでのビジョンとして、

社内で海外駐在員候補になる条件である「TOEIC730点」を2年以内にクリアし、3年後にNYの現地子会社のジェネラルマネージャに昇格、年俸を現在の1.5倍の1500万円にする。

このように、ビジョンに数字や期限を入れ込むことで、ビジョンをより具体化することができます。

また、このビジョンを達成できなかったらどうなるか?・・・「万年平社員で給料も上がらず、仕事への意気込みもだんだん薄れていく」や「彼女や奥さんから、甲斐性がないと見放される」など、こんな状況になったらマジでやばい!という危機感が沸いてくるでしょう。つまり、「達成できなければまずいことになる」という緊急性危機感をビジョンに持たせるとより効果的です。

ビジョンを設定したら、実際に紙に書いて印刷し、机の前に貼ったり持ち歩いたりして、常に自分の目に触れられる状態にしておきます。また、Facebook 等 SNS に自分のビジョンを公表するのもよいですね。自分だけの約束だと簡単に破ってしまうのですが、他人との約束だったらそう簡単に破ることはできませんから。

次に、「行動計画」(Action Plan)をつくります。

行動計画の作成では、上で設定したビジョンを達成するために、やるべきことや消化すべきことを逆算してあぶり出し、月別・日別に落とし込んでいきます。ビジネスマンの方であれば、毎日 To Do List を作って仕事の進捗管理をしていることでしょう。この To Do List に、英会話をマスターするためにこなすべきワークを入れ込んでいきます。

○月○日の行動計画: TOEIC対策の問題集を p.30 まで終える。

肝心なのは、日々の仕事の一部として認識してしまうことです。システム手帳やカレンダーなどを活用するとよいでしょう。あとは、自分の立てた行動計画に従って、毎日のメニューを粛々とこなしていきます。

とはいっても、実際には当初立てた計画通りに物事が進んでいくことなどなかなかないかもしれません。時には体調を崩したり、気分が乗らなかったり、スランプに陥ったりすることだってあるでしょう。結局のところ、最後は自分との戦いであって、自分の設定したビジョンにどれだけの緊急性や危機感があるかということも、モチベーションをどこまで維持できるかに関わってきます。

そこで、モチベーションを維持するための方法としてお勧めなのが、決意表明文を書いてみることです。英語では、「アファメーション」(affirmation)と呼ばれる手法です。

 

たとえば、「私は英会話を絶対にマスターする!」・・・のように、「絶対に」と言う癖をつけ、潜在意識に働きかけることでセルフイメージを高めるのです。潜在意識の力は絶大です。脳は、「~できる」と信じたら、騙されて「できる」方向にシフトします。よって、「私は英語を話せるようになりたいよりも、「私は英語が話せるようになる」と断定的に言うほうが、達成できる可能性は遥かに高くなります。

あのイチロー選手も、小学校のときの作文で「必ずプロ野球選手になる」「球団は中日ドラゴンズか、西武ライオンズ」「ドラフト一位で契約金は一億円以上」・・・と、「なりたい」「したい」ではなく、「なる」「する」を用いて断定的に書いています。

アファメーションは、アメリカでも多くの成功者が実践しています。また、アメリカ企業の管理職研修などでも実際にこの方法を従業員に実践させる、という例もあるほどです。

「私はすでにビジネスの第一線で英語を使って大活躍している」

・・・など、自分のビジョンや目標に応じた決意表明文を作成してみましょう。そして、作成したら決意表明文を印刷し、バスルームの壁に貼り付け、毎日鏡の前で自分の目を見ながら決意表明文を復唱します。モチベーションが下がったときにこそ、この方法を実行し、自分自身にカツを入れるのです。

決意表明文を作成する上での4つの注意点

1)一人称の「私は」ではじめる。

2)「現在形肯定文」で書く。

3)「なりたい」「したい」など願望の言葉は使わない

4)「すでに達成している」ような書き方にする。

私自身、5年間のアメリカ留学を終えたあと、一旦日本に帰国したのですが、「再度アメリカに戻って仕事をする」と決意を固めていました。しかし、アメリカ行きはなかなか実現せず、結局10年もかかってしまいましたが、この間私は心の中でいつも「必ずアメリカに戻る!」と毎日のように復唱していたのを今でも鮮明に覚えています。その後、アメリカの労働ビザを取得し、今現在もアメリカに滞在し仕事を続けています。

目標を達成するために、ぜひ決意表明文を作成してみてください。そして、決意表明文を毎日復唱する習慣をつけましょう。モチベーションの維持に効果絶大です!